私たちの身の回りには様々な細菌やウイルスが存在しています。それらに対する抵抗力がなければそのまま感染症にかかるリスクがありますが、予防接種を行うことで未然に防ぐことができます。
京都市上京区のかたおか内科外科クリニックでは、お子さんから大人の方まで、幅広い年齢層に対応した各種ワクチン接種を行っています。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こる皮膚疾患です。一度感染するとウイルスは神経節に潜伏し、年齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下した際に再活性化して帯状疱疹を引き起こします。50歳以上の方は発症リスクが特に高く、治癒後も後遺症(帯状疱疹後神経痛)に悩まされる場合があります。帯状疱疹ワクチンの接種は、こうした発症リスクや症状の重症化を大幅に減らすことができます。
京都市では令和7年4月から高齢者帯状疱疹予防接種が定期接種化されました。以下の方を対象に公費でのワクチン接種が可能です。当院では生ワクチン/不活化ワクチンの接種を実施しております。
- 接種年度に65歳になる方
- 満60~64歳でヒト免疫機能に一定の障害がある方
- 接種年度に70、75、80、85、90、95、100歳になる方(令和7年度に限り、101歳以上の方を含む)
※上記(3)は66歳以上の方に接種機会を設けるため、5年間実施する経過措置(定期接種の対象となる期間は各年代1年間のみ)
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は肺炎の主要な原因菌です。肺炎以外にも慢性気道感染症、中耳炎、副鼻腔炎、敗血症などの感染症の原因となることもあり、特にご高齢の方や慢性疾患をお持ちの方は重症化するリスクが高いため、注意が必要です。
予防のためには肺炎球菌ワクチンの接種が効果的です。通常1回の接種で5年以上の効果持続が認められており、インフルエンザワクチンのように毎年接種する必要はありません。ワクチン接種は基本的に自費となりますが、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の誕生日を迎える方は、一部を公費負担で受けられます。(※)
(※)京都市からお知らせが届きます。公費負担での接種は一生に一度のみです
インフルエンザワクチン
インフルエンザウイルスは毎年異なるタイプが流行し、その特性も変化します。ワクチンは予測される流行株に対応して毎年新しく製造されますので、前年度に接種を受けた方も、新しいシーズンには再度接種しましょう。
なお、65歳以上の高齢者を対象としたインフルエンザ予防接種については、予防接種法に基づく定期接種として公費助成を受けられる場合があります。詳しくはお住まいの自治体の情報をご確認ください。
効果的な接種のタイミング
インフルエンザワクチンは10月中旬から12月中旬頃の接種が特に効果的です。ワクチン接種から効果が現れるまでに2~3週間程度かかり、その効果は約5か月間持続します。流行のピークを効果的にカバーするためにも、適切な時期での接種をおすすめします。
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)の関係とは
子宮頸がんの根本的な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。このウイルスは主に性交渉によって感染しますが、感染したウイルスは体の免疫力によって自然に排除されます。
しかし、一部のケースでは排除されず持続子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)の関係とは的に感染し続けることで炎症を引き起こし、やがて子宮頸がんの発生につながることがあります。
対象となる方
HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルスの感染を予防するためのものです。感染の多くは性交渉によって容易に起こるため、12~16歳での接種が推奨されています。ただし、それ以上の年齢の方でもワクチン接種は子宮頸がん予防に有効です。
効果的な予防のため、接種は計3回行います(初回接種の1~2か月後に2回目、初回から6か月後に3回目)。
新型コロナワクチン
新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、人や動物間で感染症を広げるウイルスです。発熱、喉の痛み、長引く咳、強いだるさが主な症状で、重症化すると肺炎を引き起こします。ご高齢の方や基礎疾患がある方は特に注意が必要です。
新型コロナウイルスワクチンは、令和6年度から予防接種法上のB類疾病に位置付けられました。これにより、重症化予防を目的として、特定の対象者には季節性インフルエンザと同様の「定期接種」として実施されています。
ただし、定期接種の対象とならない方や定期接種期間外に接種を希望される場合は、「任意接種」として全額自己負担で接種可能です。当院でも実施しておりますので、任意接種をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
風疹ワクチン
風疹とは
風疹は風疹ウイルスによって引き起こされる急性の感染症です。症状が3日前後で治まることから「三日麻疹」とも呼ばれています。
風疹に対する特効薬はなく、感染した場合は症状が自然に治まるまで対症療法が行われます。そのため、ワクチン接種による予防が推奨されています。
風疹ワクチン
風疹ワクチンを接種することで、高い確率で抗体を獲得できます。現在の予防接種法では、幼児期に2回のワクチン接種と必要に応じた追加接種が推奨されています。
しかし、子どもの頃に抗体を獲得した方でも、年齢とともに抗体が減少し、十分な抗体量を維持できていない場合があります。特に以下の方々は、これまでの接種機会が十分でなかった可能性がありますので、新規あるいは追加の接種をご検討ください。
- 昭和34年度~平成元年度生まれの女性、昭和54年度~平成元年度生まれの男性
- 昭和54年4月1日以前に生まれた男性
風しんワクチンが受けられない人
- 妊娠中または妊娠の可能性がある女性
- 37.5℃以上の発熱がある方
- 過去のワクチン接種でアナフィラキシー症状を起こした経験がある方
- 3か月以内にガンマグロブリン注射または輸血を受けた方
- 27日以内に生ワクチンを接種した方
- 6日以内に不活性ワクチンを接種した方
- 重度の急性疾患に罹患している方
など
このほか、先天性疾患や悪性腫瘍、内臓疾患がある方、過去の予防接種で重い副反応があった方などは、事前に医師にご相談ください。なお、新型コロナワクチン接種後は2週間以上間隔を空ければ風疹ワクチンの接種が可能です。
当院のワクチン料金
生ワクチン
※すべて税込み価格表示となります。
種類 | 料金 |
麻しんワクチン(単独) | 6,600円 |
風しんワクチン(単独) | 6,600円 |
MRワクチン (麻しん・風しん混合) |
(※)11,000円 |
ムンプス(おたふくかぜ) ワクチン |
6,600円 |
水痘(みずぼうそう) ワクチン |
8,500円 |
(※)成人男性の予防接種・無料クーポン券のある方は無料です。
不活化ワクチン
※すべて税込み価格表示となります。
種類 | 対象 | 料金 |
A型肝炎ワクチン | 8,800円 | |
B型肝炎ワクチン(3回接種) | 1回:5,500円 | |
日本脳炎ワクチン | 7,150円 | |
肺炎球菌ワクチン 任意接種 |
2歳以上 | 8,800円 |
肺炎球菌ワクチン 助成制度 |
65歳以上 | 4,600円 |
2種混合ワクチン(DTワクチン) | 3,300円 | |
インフルエンザ ワクチン任意接種 |
12~64歳 | 3,850円 |
インフルエンザ ワクチン助成制度 |
65歳以上 | 1,500円 |
75歳以上 | 1,000円 | |
帯状疱疹ワクチン |
①50歳以上 ②帯状疱疹に罹患するリスクが高い18歳以上の方 |
1回:20,000円 |
接種券をお持ちの方 | 1回:18,100円 | |
RSウイルスワクチン | 60歳以上 | 27,500円 |
新型コロナワクチン 任意接種 |
12~64歳 | 16,500円 |
新型コロナワクチン 助成制度 |
65歳以上 | 3,000円 |
75歳以上 | 2,000円 |