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肝機能障害

肝機能障害について

肝機能障害について肝機能障害は肝臓の機能が低下している状態の総称で、肝細胞に炎症が起きたり脂肪が付着したりすることで起こります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、初期段階ではほとんど症状が現れません。そのため、健康診断や人間ドックでの血液検査で偶然発見されることがほとんどです。
初期の自覚症状こそ乏しいですが、進行して肝炎や肝硬変にまで悪化すると、全身倦怠感や食欲不振、黄疸など様々な症状が現れます。そこまで進行してしまうと正常な肝臓に戻すことは難しいため、健康診断などで肝機能障害が見つかった場合は、早めに受診して治療を始めることが重要です。

AST(GOT)

アミノ酸の代謝に関わる酵素です。肝臓の機能が低下すると上昇します。

正常値:13IU/L〜30IU/L

ALT(GPT)

肝臓に最も多く含まれる酵素で、ASTと同様にアミノ酸の代謝に関わっています。これも肝臓の機能が低下することで上昇します。

正常値:10IU/L〜42IU/L

γ-GTP

肝臓の解毒作用に関係する酵素です。過度の飲酒がある場合に上昇します。(アルコール性肝障害)

正常値:13IU/L〜64U/L

総ビリルビン

赤血球が分解されるときに生じる色素です。肝臓の機能が低下し、胆汁の通り道である胆道の流れが悪くなると上昇します。

正常値:0.4mg/dL〜1.5mg/dL

ALP

栄養素を分解する酵素で、肝臓で作られる消化液である胆汁に多く含まれています。これも胆道の流れが悪くなると上昇します。

正常値:38IU/L〜113U/L

肝臓の働き・役割

肝臓の働き・役割肝臓は私たちの体の中で最大の臓器です。食べ物の消化・吸収から栄養素の貯蓄、解毒に至るまで、様々な役割を担っています。肝臓の機能が低下すると、栄養素の代謝や有害物質の解毒が適切に行われなくなり、体全体の健康に影響を及ぼすことになります。

食べ物の消化
(胆汁の生成と分泌)

勃起は性的興奮が神経を通じて脳に伝わり、性器の血流が増加することで起こります。このどちらか、あるいは両方に問題が生じている場合にEDを発症します。
その原因は大きく3つに分類され、単独で起こることもあれば複数の要因が合併して起こることもあります。

栄養(エネルギー)の貯留

人は体に必要な栄養分やエネルギーを食べ物から摂取しています。胃や腸で消化された食べ物から得た栄養素は血液中に送られ、肝臓で使いやすい形に変換され蓄積されます。そして必要に応じて、蓄積した栄養分をエネルギーとして放出する「代謝」の役割も果たしています。
しかし、暴飲暴食などで栄養分を過剰に摂取すると肝臓に不要な脂肪が蓄積し、エネルギーを適切に管理できなくなってしまいます。

解毒作用

肝臓には、食べ物から摂取した物質のうち、体に悪影響を与える毒素を解毒する働きがあります。肝臓で分解された毒素は尿として体外に排出されるので、正常であれば体内に毒素が過剰に溜まることはありません。
しかし、肝臓の機能が何らかの原因で低下すると、この解毒作用が十分に働かず、体内に毒素が蓄積していきます。その結果、肝臓自体だけでなく、体内の他の臓器にもダメージを与える可能性があります。

肝臓の異常を示す症状と
病院に行くべきサイン

肝臓の異常を示す症状と病院に行くべきサイン

  • 健康診断や人間ドックで肝機能異常を指摘された
  • 生活習慣が不規則
  • よくお酒を飲む
  • 急激な体重増加があった
  • 黄疸が出た
  • 倦怠感が続いている
  • 食欲不振
  • 顔色が悪いと指摘された

など

肝臓機能障害の原因・種類

肝機能障害には様々な種類があり、それぞれ原因や症状、治療方法が異なります。主な肝機能障害には以下があります。

  • ウイルス性肝炎
  • アルコール性肝障害(アルコール性脂肪肝)
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)(非アルコール性脂肪肝)
  • 薬剤性肝障害
  • 自己免疫性肝炎

など

ウイルス性肝炎
(B型・C型肝炎ウイルス)

ウイルス感染によって肝臓に炎症が起きた状態です。肝炎ウイルスにはA型からE型までありますが、日本ではB型(HBV)とC型(HCV)が多く見られます。
B型は性行為などの密接な接触、傷口への粘液や血液の接触、輸血などが感染経路となります。また感染した母親からの母子感染もあります。C型は性行為による感染はまれで、主に血液を介して感染します。感染経路としては、以前の輸血や透析、消毒が不十分な医療行為などが挙げられます。

アルコール性肝炎
(アルコール性脂肪肝)

長期間にわたる過剰な飲酒が原因で、肝臓に障害が生じた状態です。一般的に5年以上の過剰飲酒(男性で1日60g以上、女性で40g以上の純アルコール摂取)により発症します。これは日本酒なら3合弱、ビールなら500ml缶3本程度となります。
アルコール性肝障害は、脂肪肝から肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する危険性があるため、早期の改善が必要です。予防および治療では、禁酒や節酒による予防が必須となります。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
(非アルコール性脂肪肝)

お酒をほとんど飲まないか、少量しか飲まないのに脂肪肝の症状が見られる状態です。主な原因はメタボリックシンドロームに関連する肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などで、まれにストレスや薬の副作用が原因となることもあります。
なお、NAFLDの患者さんの1〜2割は、より重症な非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へ進行すると言われています。生活習慣の改善や食事管理などによる肝機能の維持が必要です。

薬剤性肝障害

薬の副作用によって肝臓に障害が生じた状態です。原因となる薬は多岐にわたりますが、特に抗生物質や解熱鎮痛薬、精神神経薬、抗がん剤などで発症しやすいとされています。また、漢方薬、市販薬、サプリメントなども薬剤性肝障害を引き起こす可能性があるため、使用の際は注意が必要です。

自己免疫性肝炎

免疫機能の異常により、自分の肝臓を攻撃してしまう疾患です。原因は明確ではありませんが、血液検査で特定の自己抗体が検出されることから、免疫系の問題と考えられています。自覚症状はほとんどないことが多いため、血液検査で発見されることが一般的です。

脂肪性肝炎

肝臓に脂肪が蓄積した状態である「脂肪肝」が放置されたことで起こる、肝臓の炎症です。肥満、不適切な食生活、運動不足、糖尿病や脂質異常症などが主な原因です。この状態がさらに放置されると肝硬変、肝がんへと進行するリスクがあります。

肝機能を診る検査

肝機能障害を診断するためにはいくつかの検査が必要です。主な検査方法には以下があります。

血液検査

採血を行い、肝機能を示す酵素(AST、ALT、γ-GTPなど)の値や、胆道系の異常を示す指標(ビリルビン、ALP)を調べます。また、肝炎ウイルスの感染の有無や、肝臓がんの腫瘍マーカーも同時に検査できます。これらの数値を総合的に評価することで、肝臓の状態を把握します。

腹部超音波検査
(腹部エコー検査)

腹部超音波検査(エコー)は、体に負担をかけず簡便に肝臓の状態を観察できる検査です。脂肪肝では肝臓が白く映り、肝硬変では肝臓の表面に凹凸が見られます。肝臓がんも場合によってはエコーで発見できることがあります。

肝機能障害の治療

肝機能障害の治療肝機能障害の治療方針は、それぞれの原因や病態によって異なります。脂肪肝や肝炎から、肝硬変、肝臓がんへと進行しないためにも、適切な治療が重要です。

薬物療法

当院では、症状や検査結果に応じて必要な追加検査・内服治療などを行いながら経過を確認してまいります。ウイルス性肝炎の場合は、専門的な検査や治療が必要となるため、専門の医療機関をご紹介いたします。

生活習慣・食習慣の見直し

生活習慣の改善も肝機能障害治療の重要な柱です。特に食事面では以下のポイントが重要です。

  • 栄養バランスの取れた食事を規則正しく摂る
  • 野菜を積極的に摂る
  • 良質なタンパク質を多く摂る
  • 高脂肪の食事を控える

など