当院の外科の特徴
一般外科では、外傷や良性の腫瘤、腹部の急性疾患などを扱う診療科です。日常生活で生じる切り傷、すり傷、やけどなどの外傷から、動物・虫の咬み傷、陥入爪といった化膿性疾患、さらに粉瘤(ふんりゅう)・脂肪腫や急性虫垂炎などの良性腫瘤まで、幅広い疾患を対象としています。
京都市上京区のかたおか内科外科クリニックでは外科領域の症状に広く対応し、他の医療機関で受けられた処置の継続(消毒や抜糸など)も行っています。どんなことでもお気軽にご相談ください。
当院の外科で診察する
症状と疾患
- 皮膚のできもの
(粉瘤、皮下脂肪腫など) - やけど(熱傷)
- 切り傷、すり傷、打撲創
- 動物咬創(犬、猫など)
- 陥入爪・巻き爪
- たこ・魚の目
- 床ずれ(褥瘡)
- 痔
(内痔核、外痔核、裂肛、痔瘻など)
など
これらに対して一般的な外科処置や薬物療法を行います。また、他院で受けられた処置の継続にも対応していますので、こちらも安心してご相談ください。
当院の外科で対応する治療
皮膚のできもの
(粉瘤、皮下脂肪腫など)
皮膚や皮下にできる良性の腫瘤です。多くは無症状ですが、大きくなったり炎症を起こしたりすると治療が必要になります。
粉瘤
表皮にできた袋の中に老廃物(垢や皮脂)が蓄積してできる腫瘤です。感染していなければ局所麻酔下で袋ごと摘出できます。感染して膿瘍を形成した場合は、まず切開・排膿を行い、炎症が落ち着いてから袋の残存組織を除去します
脂肪腫
皮下組織内にできた脂肪の塊です。多くは良性で、切除して傷が治癒すれば治療は終了です。まれに悪性の脂肪肉腫の場合があるため、切除した組織は病理検査を行います。悪性の場合は追加治療が必要になることがあります。
やけど(熱傷)
火炎、高温物質、化学物質、放射線などによって生じる皮膚の損傷です。皮膚への深達度によってⅠ度~Ⅲ度に分類され、さらに熱傷面積によって総合的な重症度が判断されます。日常生活では熱湯、ポットの水蒸気、熱した油、アイロンなどによる受傷が多いです。
やけどを負った場合、まずは流水で15分程度冷やすようにしましょう。応急処置後は症状が軽減しても、早期治療と傷跡予防のために受診をおすすめします。
創傷処置
(切り傷、すり傷など)
転倒や鋭利なものとの接触、動物の咬傷などによる外傷は、形態によって切創(切り傷)、擦過創(擦り傷)、裂挫創、刺創、咬症などに分類されます。
どんな傷でもまずは水道水でしっかり洗い流し、砂などの異物を取り除くようにしましょう。出血がある場合は清潔なガーゼで圧迫止血し、患部を心臓より高い位置に保ちます。応急処置後は速やかに受診してください。
切り傷
鋭利な物体によって皮膚が切れた状態です。出血が多く、深い場合は縫合が必要になります。適切な処置を行わないと感染や傷跡が残るリスクが高まります。
すり傷
皮膚の表面が擦れてできた浅い傷です。砂などの細かい異物が混入していることが多いため、十分な洗浄が重要です。適切に処置しないと感染や色素沈着を起こすことがあります。
刺し傷
尖った物体が皮膚を貫通してできる傷です。外見よりも深部で大きなダメージを受けている可能性があり、感染リスクも高いため、必ず医師の診察を受けてください。
動物咬創(犬、猫など)
動物の口内には多くの雑菌が存在します。牙による傷は深くなりやすく感染リスクが高いため、早急な対応が必要です。まずは水道水で十分に洗浄して受診してください。
同時に破傷風予防も必要になるため、破傷風トキソイドの接種歴がわかる記録があれば、受診時に持参してください。
陥入爪、巻き爪
巻き爪は爪が円弧状に曲がった状態で、陥入爪は爪の縁が周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態です。腫れや痛みを伴うことが多く、重症化すると歩行にも支障をきたします。
コットン挿入、テーピング法、フェノール法(外科的処置)などの様々な治療方法がありますので、患者さんの病態やご希望に応じて行います。
床ずれ(褥瘡)
長期的な圧迫によって皮膚や皮下組織が障害された状態です。寝たきりの方に多く、ご自身での管理が難しいケースも少なくありません。予防には体位変換による圧迫の分散、皮膚の乾燥・湿潤の管理、栄養状態の改善が重要です。
当院では訪問診療も行っておりますので、予防から診断、治療までお気軽にご相談ください。
痔(内痔核、外痔核、裂肛、痔瘻など)
肛門およびその周辺に生じた病気の総称で、肛門周囲のうっ血や刺激が主な原因となります。日常的な予防と早期対応で症状の悪化を防ぐことができます。治療は保存的療法(生活指導や薬物療法)から始めて、改善しない場合には外科的治療を検討します。
内痔核
肛門内部の静脈が拡張してできる痔で、「いぼ痔」とも言われます。便秘や下痢を繰り返すと悪化します。痔からの出血が主な症状で、軽度であれば薬物療法で改善しますが、重症例では手術が必要です。
外痔核
いぼ痔の一種で、痔核が肛門の外側(厳密には歯状線より外側)に生じた状態です。無理な排便やうっ血が原因となることが多く、急性期には痛みが強くなります。多くは保存的治療で改善します。
裂肛
肛門の粘膜が切れて生じる傷で、「切れ痔」とも言われます。強い痛みと出血が特徴で、便秘などが主な原因です。慢性化すると治りにくくなるため、早期治療が重要です。
痔瘻
肛門内のくぼみ(肛門陰窩)に細菌に感染して膿が溜まり、その状態が悪化することで肛門内外に穴(トンネル)ができた状態です。ズキズキとした痛みと膿の排出が特徴で、根本的な治療には手術が必要になることが多いです。
たこ・魚の目
皮膚が慢性的に刺激を受けることで角質が肥厚した状態です。たこは医学的には「胼胝(べんち)」と呼び、全体的に角質が肥厚したもので、魚の目は中心に角質の芯ができたもの(鶏眼)です。魚の目は芯が皮膚を圧迫するため痛みを伴います。
挫滅創(ざめつそう)
強い衝撃で皮膚や筋肉組織が圧迫され損傷を受けた状態で、打撲創とも言います。交通事故や労働災害などで発生することが多く、神経や筋肉などの組織が複雑に破壊されるため治癒に時間がかかります。