帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水疱瘡(みずぼうそう)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」によって引き起こされる病気です。
帯状の赤い発疹が有名ですが、その前に、ピリピリ、チクチク、ズキズキといった神経痛が出ることが一般的です。その後、痛みのある部分の皮膚に赤みや水ぶくれが現れます。つまり、「痛み→痛みを伴う皮膚の症状」の順番で起こることが多いです。
また、帯状疱疹による発疹は、通常、体の左右どちらかに帯状に広がり、その上に小さな水ぶくれができます。特に胸や背中など上半身にできることが多いですが、顔、腕、足、お尻など、全身のどこにでも生じます。
帯状疱疹ワクチンはなぜ50歳以上?
50歳以上の人の場合、帯状疱疹の予防ワクチンを受けることができます。
なぜ50歳以上なのかというと、50歳を過ぎると発症しやすくなるからです。80歳までに3人に1人が帯状疱疹にかかると言われています。
加齢やストレス、疲れといった何らかの原因で免疫が低下してくると、潜んでいたウイルスが活性化して、帯状疱疹を起こすのです。
50歳以上になると、時間とともに免疫が低下しやすいほか、糖尿病などの免疫を下げる病気を持つ人も増えるので、帯状疱疹も発症しやすくなります。
帯状疱疹ワクチンを受けたほうがいい人
帯状疱疹ワクチンは、50歳以上で、水疱瘡にかかったことのある人、帯状疱疹にかかったことのある人が対象となります。
ちなみに、水疱瘡にかかっても自覚のない人もなかにはいて、日本人の成人の9割は帯状疱疹の原因となるウイルスを持っていると言われています。
帯状疱疹後に神経痛が残ることも
皮膚の症状が落ち着いても、痛みが続くことがあります。これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれ、年齢の高い人ほど多くみられ、50歳以上の方の約2割が帯状疱疹後神経痛に移行するとの報告もあります。なかには年単位で痛みが続く人もいる、辛い後遺症です。
帯状疱疹後神経痛は、ウイルスによって神経に炎症が起こり、神経が傷つけられることが原因と考えられています。そのため、こうした後遺症を防ぐには、なるべく早く治療し、ウイルスを抑えることが重要です。
また、ワクチンの接種によって、帯状疱疹の発症そのものを予防できるほか、発症したとしても軽症ですみ、帯状疱疹後神経痛などの後遺症を防ぐ効果があると報告されています。
帯状疱疹のワクチンは2種類
帯状疱疹のワクチンには2種類あります。
「乾燥弱毒性水痘ワクチン」と、帯状疱疹専用のワクチンとして2020年に認可された『シングリックス』の2つです。
乾燥弱毒性水痘ワクチン接種は1回のみですが、有効性は約50%で、5年を超えると有効性が低下します。
シングリックスは、2カ月以上あけて2回の接種が必要ですが、予防効果はより高く、50歳以上で97%、70歳以上で90%の発症予防効果が確認されています。また、その効果が9年間は維持できることも報告されています。
費用
乾燥弱毒性水痘ワクチン |
シングリックス |
8,800円(税込み) |
22,000円(税込み) |
定期接種による一部公費負担もありますので一度お問い合わせください。
効果が大きいのはシングリックスですが、どちらのワクチンにすべきか決めかねているときには一度ご相談ください。